daysofteaandmusicの日記

イギリス博士留学体験記(人文系・音楽学)

サンデーローストのこと

最近、よく一人で外食するようになった。

 

理由は、料理がめんどくさい、というのはもちろんなのだが、イギリス飯も意外においしいということに気づいたのも大きい(ちなみに日本基準だとかなり高い。慣れてしまったが。)。

 

日本人がよくイギリス飯がまずいと言うのは、まず、日本の食が恵まれすぎている、というのはあるけれど、そもそも料理に対するスタンスが違うというのもある。

 

イギリス飯は基本とにかくシンプル。素材の味を活かす、というレベルを超えて、素材自体を味わうという感じに近いかもしれない。

味付けは薄目。足りない場合は自分で塩コショウなり、ケチャップなりつけてね、という感じになる。

(自分が行かないような高級な店では事情は違うかもしれないがわからない)

 

その典型がフィッシュアンドチップス。

イギリスを代表するイギリス飯のように語られるが、実際は衣をつけて揚げた魚と挙げた芋で、味も揚げた魚と芋そのままの味だ。塩はあらかじめ振ってあるが、お酢、ケチャップ、タルタルなど、味付けは自分でする。

 

でもシンプルだからと言ってまずいかというと、美味しい。最高級の魚であるとかそういうことはないのだが、普通においしい。

 

そして最近、外食をよくするようになったのは(これがメインの話なのだが)シンプルゆえに、店によっていろいろなバリエーションがあることに気づき、それを探求したくなったからだ。

フィッシュアンドチップスについて書いてきたが、今回はサンデーローストについて書く。バリエーションが最も豊富だと思われるからだ。

 

サンデーローストとは、その名の通り、日曜日だけパブやレストランで提供されるロースト料理のことだ。普通は牛肉、豚肉、鶏肉、時に羊、そしてベジタリアン向けのもの(後述)が提供される。メインの他に野菜と、ヨークシャー・プディングというシュークリームの外側みたいなものが付け合わされる。グレイビーソースがかけられている。

 

いくつか食べたものを紹介する。

(オリジナル画像をなくしてしまったのでインスタのスクショ。低画質。)

Old Red Cowという有名なお店。日曜日以外にも提供している。牛。

初めて食べたサンデーロースト。肉肉しくてなかなか噛み切れなかったことと、量がものすごかったことが記憶に残ってる。野菜は蒸し野菜っぽかった。

 

 

これは大学近くのThe Fat Warlusという店。牛。

ソースがとにかく薄味で、塩コショウしまくったのを覚えている。

野菜が美味しかった。サヤインゲンが入っているのが珍しい気がする。

上の店が記憶にあったので、正直、物足りなさを感じた。

 

 

サウスバンクセンター近くのMulberry Bush。鳥。

野菜が少し変わっていて、左の方にみじん切りでネギ的な野菜やら何やらが色々ミックスされている。


これがうまい。鶏肉に乗っけて食べることで飽きずに楽しめた。ネギと鶏の組み合わせは強い。

上の方のニンジンとスクウォシュ?のマッシュも美味しかった。

 

 

これは大学から徒歩30分ほどにあるThe Talbotベジタリアン向け野菜のウェリントン

ウェリントンとはパイ包みのことで、右上にあるやつがそれ。元は牛肉なのだが(めちゃくちゃおいしい。しかしなかなかの高級品でまだ一回しか食べたことない。)、これは野菜になっている。スクウォッシュが基本なのだけどこの店では、それに加えて、きのこ(「マッシュルーム」)、木の実(「チェスナット」)のミックスになっている(括弧付きで書いたものが日本語で言う、どの食材にあたるのか自分の庶民舌では判断できない)。ちなみにスクウォッシュはここではよく料理に使われているが、さわやかなカボチャみたいな味がする。

これはなかなか複雑な味わいで美味しかった。ソースに醤油ぽさも感じた。ロンドンでだったらベジタリアンという選択肢も日本より身近なのかもしれないと思った。

 

以上がこれまで食べたサンデーロースト。

これだけでも基本の型があるのにバリエーションが広いことが伝わると思う。

これからもちょっとずつ紹介したい。